SuperTAINSの今後

東北大学情報シナジーセンター 千葉実

1 はじめに

 平成12年度補正予算で平成13年繰り越しにより整備してまいりました学内LAN「TAINS/G」が平成13年12月28日に 竣工 しゅんこう いたしました。また,この整備に併せて技術専門委員会では,その運用の方法などを決めるための検討が繰り返し行われております。今回のTAINSニュースにも,具体的な接続形態が紹介されております。

 ここでは,TAINS/Gの紹介の一環としてTAINS95(旧SuperTAINS。以下TAINS95という。)の今後の取扱いについての基本的な方針についてお知らせいたします。

2 今後の方針の概要

 TAINS/Gを導入した背景として,大学のLANは常に「最新の技術を用いたものであること」はもちろんのことですが,TAINS95の FDDI 等の機器の老朽化が深刻であることもまたその背景にあります。現に FDDI の製品も市場から姿を消しました。つまり,今までTAINS95に対して行ってきたサポート(故障の際の修理や交換)と同様のサポートを今後も継続することは難しくなりました。今後,幹線機器が故障した場合は,修理できないこともあり得ます。したがって,幹線機器の故障時には,TAINS/Gへの移行が最良の解決になると思われます。

 なお,上記のような理由からもTAINS95の FDDI機器(ルータ)の新規接続を受付けることは難しい状況です。

 したがって,TAINS95は接続状況の推移に応じて,その役割に見合う構成へと徐々に変化(縮退)させることが求められ,以下のような構成変更が今後考えられます。

3 FDDI ループ,あるいは幹線ルータの集約化

 今後,既存のインハウスネットワークはTAINS/Gへ移行していただくとともに,TAINS95の FDDI の使用を避けて計画していただきます。部局のインハウスネットワークのTAINS/Gへの移行が済んだループは,徐々に縮小し,最終的には運用を停止します。また,その後ループを持たない幹線ルータは統合や撤去を行い,最終的には運用を停止します(図1参照)。

図1:FDDIループ・幹線ルータの集約化
  1. 部局のルータが FDDI ループ からTAINS/Gに移行を完了したら,PD 内で光パッチコードにより,その FDDI ループを維持するために接続しておく。また,TPDDI でルータを接続していた場合には,その FDDI ループ内に他の機器の有無を確認してからコンセントレータの電源を落すこと(FDDI ループがループを維持できなくなるため)。
  2. (1)のようにしてルータ等の機器がまったく接続されていない FDDI ループは運用を停止する。
  3. FDDI ループが減少した幹線ルータは隣接する別の幹線ルータへ収容ループを移し替えて集約する。
  4. FDDI ループを持たない幹線ルータは運用を停止する。
 図1の a.はTAINS95からTAINS/Gへ移行する様子を表しており,b. は幹線の FDDI ループが空く様子を表しており,c. はループを統合しルータも統合する様子を表しています。

4 ATM スイッチ,ATM ハブ の集約化

 ATM 利用中,PVP(Permanent Virtual Path) などで ATM 固有の機能を使っているものはできる限り効率化して運用を継続します。そのために以下のように ATM 機器の構成を変更します(図2参照)。

図2:ATM スイッチ・ハブの集約化
  1. ATM ポートの利用が減少すれば,隣接する別の ATM ハブに収容を移し替えて集約し,ATM ハブの台数を減らす。
  2. 幹線 ATM スイッチで収容する ATM 機器の数が減少したものは,ATM ハブの機器を ATM スイッチの替わりに充てる。
  3. フルメッシュ構成を取らず,ループ構成またはスター構成とする。

5 全体構成の移行計画

 TAINSはTAINS95と今回整備されたTAINS/Gとで成り,部局側のTAINS/Gへの移行の状態や上位ネットワーク(東北学術研究インターネットコミュニティ(TOPIC)など)の状況など,その時点で最適な構成へと 徐々に変化しますが,現在の構成や目指す姿は図3の通りです。

図3:全体構成の移行計画