編集後記

■コンピュータ関連でいう「セキュリティ」とは,一般に,コンピュータに蓄積された情報やその他の資源を,許可されていない第三者から守り維持することをいいます。あるプログラムにセキュリティの 脆弱 ぜいじゃく 性が見つかると,ほどなくそれに対応したセキュリティパッチが提供されて,ネットワーク管理者があわてて対処するといった光景がしばしば繰り返されています。ネットワーク管理者にとって「セキュリティ」は常に悩みのタネですが,「security」を辞書で引いてみると,「保障,保全」といった意味以外に「安心,心丈夫」といった意味があることがわかり,思わず苦笑してしまいました。

 さて,今号は新しく完成したTAINSG の具体的な使い方を中心に,技術的には電子メールの不正中継対策について,法律的にはプロバイダ責任制限法についての記事をお伝えすることができました。ネットワーク技術の大衆化・高度化によって,セキュリティの問題はますます複雑で解決困難なものになってきていますが,技術・法律の両輪をもって,ネットワーク管理者が真に「安心」できる日がいつかやってくることを願います。

(kanaya)
■14年前に世界最先端の全学規模のキャンパスLANであるTAINS が動き出したとき,ネットワークは世の中で知られておらず,一部の特別な人が半角カナのパソコン通信でメールやBBSを楽しんでいた時代でした。そこから今日の「IT社会」に至るまで,TAINS の果たした役割は小さくないと思います。大学が最先端の情報通信技術をとりいれた最高のネットワークを構築し,研究や教育の発展に活用するとともに,新しい利用技術を開発し普及させていくという役割は変わっていないと思います。

 7年前にはなばなしかったSuperTAINS も,今ではATM方式の輝きがずっと落ち着いて,FDDI方式は消えようとしています。世代交替の激しいこの分野で,みたび最先端のTAINS/G を手にした東北大学は,次のステージではどのような役割を果たすでしょうか。ギガを超える超高速ネットワークでは,マルチメディア伝送を超える高品質の仮想臨場感伝送や,分散コンピューティングが可能になると言われています。セキュリティも重要になってきました。情報シナジーセンターは利用者の皆さんと協力して役割を果たしていきたいと考えますので,ご支援をよろしくお願いします。

(そ)