編集後記

■高度情報化社会の到来に対処するための研究・教育の基盤整備として本格的な学内総合情報ネットワークシステムの構築計画を始められたのは,1984年佐藤利三郎名誉教授(第5代大計センター長)でありました。当時学内におけるネットワーク自体の認識は十分ではなく,構築計画に対する反応はかなり冷ややかなものでした。が,しかし,情報科学委員会の関連委員会での「学内LAN構築の必要性」に関するプレゼンテーションと討議を重ね,全学的コンセンサスを得て1988年に最先端の総合情報ネットワークシステムTAINS が具体化されました。そしてTAINS の運用は学内全構成員が共通に使えるインフラであるという前提のもとに,将来的発展を目指して利用者参加型を指向し,利用応用技術が拡充されました。1995年にはSuperTAINS の構築でネットワークの性能・機能が数倍に向上すると共に,インターネット利用の急速的な普及,さらに2002年にはTAINS/G の構築により本学の研究・教育環境は,TAINS によって大きく変革・進展しています。一方,ここ数年来一般社会での情報ネットワークによる非倫理的・犯罪行為が顕著になっており,いわゆるIT社会におけるセキュリティの問題が大きくなっています。本学でも非倫理的な利用が若干見られるようになっています。特にTAINS の利活用は,研究・教育が目的である,ということを再認識していただき,この目的から逸脱しないようにご協力をお願いします。

(K, I)

■東北大学の第3世代ネットワークのTAINS/G が運用開始してから1年が経ちました。それぞれの部局のインハウスネットワークごとに新しいネットワークへ移っていただいていますが,7年前のTAINS88 (当時のSuperTAINS )のときと比べると,意外とも思えるほど順調に移行がはかどっているようです。このTAINS ニュースもいくつかの部局の方々に先進事例の投稿をお願いして「TAINS/G 移行体験記」を連載していますが,参考にしていただいているものと思います。近年はネットワークの利用への関心が高まって,最新のネットワークに早く移りたいという気持ちもあったでしょうか。一方,「センターからのお知らせ」に掲載しているようにTAINS88 の老朽化が深刻ですので,予想以上に順調に移行していただき,とても助かっております。
 これまでTAINS ニュースには,移行体験記に限らず,TAINS の利用技術や応用例などについて利用者の皆さんに執筆していただいてきています。TAINS の利用促進に全学が取り組んで効果をあげていることは,東北大学の特徴であり,誇らしく思っています。
 情報シナジーセンターの佐伯田鶴助手が10月1日に総合地球環境研究所へ転出しました。4年半前に着任する以前からTAINS 利用研究会のAppleTalkグループなどで活躍され,TAINS などのネットワークに関わる研究開発,あるいは本学のネットワーク安全・倫理ガイドラインの策定にも貢献されました。新任地でご活躍されるようお祈りします。

(そ)