情報シナジー機構の改編について

情報シナジー機構長 鈴木陽一(*1)

 情報シナジー機構は全学の情報基盤の一層の充実・高度化の要請に応えるために,平成20 年4 月より新しい役割に対応するよう改組され,新体制で臨んでいます。
 情報シナジー機構は,平成13 年4 月,本学における情報関連組織の総合的協働体として,教育研究活動及び運営を支援することを目的に設置され,国立大学の法人化後も,引き続き本学の情報化の推進に寄与してきました。しかし,情報化社会の進展に伴い,教育・研究と法人運営のための情報基盤の一層の充実・高度化が求められ,その要請に即時的確に対応することが求められるようになってきました。
 そのような状況の中,本学総長の「井上プラン2007」に基づき「情報関係組織の機能点検プロジェクト・チーム」において鋭意検討が重ねられた結果,平成19 年11 月に方策がまとまり,情報シナジー機構が担うべき役割の再定義が行われました。その新しい機構の役割は,
  1. 本学全体の情報基盤整備等に係る企画立案,調整及び協議,
  2. 情報基盤整備実施の担当と,情報システムに係る整備,運用及び管理に関する調整,
  3. 情報基盤に基づく各種のサービス提供により,本学の情報化の推進を図ること,
です。つまり,本学に存在する各情報関連組織をよりスムーズに連携させ,より高度な情報インフラを整備し,各情報資産を利用するユーザに対し安全な情報アクセシビリティーを提供することを目的とし,従来の機構の役割よりも,広範かつ積極的な対応が求められ,平成20 年4 月から改組して取り組むことになりました。
 その取り組みの一つとして,情報シナジー機構に
の3 つのワーキンググループが置かれました。ネットワークワーキンググループは,次世代TAINS の導入に向けて,仕様検討や調達作業等を着々と進めています。認証ワーキンググループでは,全学的な統合認証基盤の確立に向けて,集中的な検討や調達作業等が続けられています。ポータルサイトワーキンググループは,平成20 年6 月に設置された「業務改革推進タスク・フォース」及び平成20 年11 月よりそれを引き継いでいる「業務改革推進室」とも綿密な連携を取りながら,業務システムの総合的な窓口となるポータルサイトの構築に向けて,種々の検討を行っています。いずれのワーキンググループも,様々な部局の有識者が広く集まって,全学的な協力のもと,オール東北大で議論・検討がなされています。なお,これらの情報化推進の実施状況については,平成20 年9 月10 日の部局長連絡会議にて,ご説明しているところです。今後は,情報シナジー機構に置かれた情報シナジー広報室のウェブページ等も活用するとともに,情報システム利用連絡会議等の場でも広報してゆきます。
 なお,情報セキュリティポリシーについては,「情報セキュリティポリシー策定委員会」でその策定が検討されてきましたが,関連規程についても改組後の機構と関連づけて検討が続けられています。
 情報シナジー機構は,上述の3 つのワーキンググループにおける検討結果を効率的・効果的に全学の情報基盤として実装してゆきます。また,今後の新たな諸課題に対しても積極的に対応し,本学の情報化のさらなる発展に寄与してゆきたいと考えています。このような仕事を進めるにあたり,情報シナジー機構は,「全学的情報化推進経費」を原資としています.この原資には,今春の「全学的基盤経費」の創設に伴う部局の負担増のうち,およそ半分の金額が投入されていると理解しており,その意味でも大きな責任と期待を感じつつ,任務の遂行にあたっています.今後も全学の皆様のご理解と,ご協力,ご 鞭撻 ( べんたつ ) を心からお願いする次第です。

(*1)東北大学電気通信研究所教授