情報教育システムの更新について

教育情報基盤センター 磯辺秀司
教育情報基盤センター 小泉英介
教育情報基盤センター 二階堂秀夫

1 はじめに

 情報教育システムは,本学川内北キャンパスのマルチメディア教育研究棟に設置されており,情報科目をはじめとする授業や学生の自習などに広く利用されています。その情報教育システムが5 年ぶりに更新され,2015 年3 月から新しいシステムが稼働を開始しました。新システムによる学生向けのサービスは2015 年4 月1 日から開始されます。本稿では新しい情報教育システムの概要について紹介します。

2 情報教育システムの概要

2.1 情報教育システムの利用対象者とリソース

 情報教育システムは本学に所属する全ての学生(学部生,大学院生,非正規学生)が利用者となっています。統合電子認証システムにおいて学生のデータが作成されると,学籍番号をユーザID,東北大ID パスワードをパスワードとする情報教育システムアカウントが自動的に作成されます。利用開始にあたって,特別な利用申請などは必要ありません。ICL 演習室で授業を行う教員に対しては,授業用にローカルアカウントを発行しています。
 情報教育システムでは,各ユーザに対して1.5GB のディスク領域が割り当てられます。端末にログインすると,ユーザは(使用する端末やOS 環境には関係なく)ネットワーク経由でこのディスク領域にアクセスすることができ,普通のPC に搭載されているハードディスクと同様の感覚で利用することができます。また,ユーザ1 人あたり年間200 枚まで,演習室に設置されているプリンタから印刷が可能です(2015 年4 月現在)。

2.2 ICL 演習室の設備および利用可能時間帯

 マルチメディア教育研究棟1 階のICL 演習室には,情報教育システムの端末が設置されています。利用者用端末には,Linux またはWindows を選択的に利用することができるLinux/Windows 端末と,OS X を利用することができるMacOS 端末の2 種類があります。ICL 演習室にはこれらの端末の他にプリンタが設置されています。情報科目相談室には,データ交換用装置などの周辺機器が設置されています。
 授業等で占有使用されていないICL 演習室は自習のために利用することができます。また,情報科目相談室にはテクニカルアシスタントと呼ばれる大学院生が常駐しており,利用者からの情報教育システムを含む教育系情報システムの利用や情報科目に関する相談に対応しています。各ICL 演習室の設備と開室時間帯については表1 の通りです。ただし,土日祝日は全室終日閉室となり,全学教育科目の授業および補講がない期間は開室時間が短縮されます。詳しくは,教育情報基盤センターのウェブサイト[1] をご覧ください。

表1: 各ICL 演習室の設備と開室時間帯

演習室名 利用可能な端末 その他の設備 開室時間帯
ICL 演習室1(M104) Linux/Windows 端末162 台 プリンタ1 台 8:50–17:50
ICL 演習室2(M105) Linux/Windows 端末162 台 プリンタ1 台 8:50–20:45
ICL 演習室3(M101) Linux/Windows 端末32 台 プリンタ1 台 8:50–17:50
ICL 演習室4(M103) MacOS 端末20 台 プリンタ1 台 8:50–17:50
情報科目相談室(M102) Linux/Windows 端末4 台
MacOS 端末1 台
プリンタ1 台
データ交換用装置
8:50–17:50

2.3 利用者用端末の概要

2.3.1 Linux/Windows 端末
 ICL 演習室1〜3 および情報科目相談室にはLinux/Windows 端末が設置されており,Linux 環境またはWindows 環境のいずれかを選択して利用することができます。新しい情報教育システムでは,従来のネットブート方式に代わり,Virtual Bridge 社のVERDE を利用した仮想デスクトップ方式を採用しています。具体的には,計算機室に設置されているサーバ上に複数(サーバ1 台あたり約100 台)の仮想PC が作成され,それを演習室の端末から各ユーザが利用するという形になります。利用者は,普通のPC とほぼ同様の感覚で端末を操作することができます。なお,演習室開室時間帯は仮想PC を常に起動待機状態にしておくため,端末の電源を入れてからログイン画面が表示されるまでの待機時間が以前のシステムよりも短くなっています。Linux 環境およびWindows 環境で利用可能な主なソフトウェアはそれぞれ表2 の通りです。

表2: Linux 環境,Windows に導入される主なソフトウェア

  Linux 環境 Windows 環境
OS Ubuntu 12.04 LTS 32 ビット Microsoft Windows 7 Professional 32 ビット
ウェブブラウザ Firefox,Chrome(Chromium) Internet Explorer,Firefox,Chrome
オフィススイート LibreOffice Microsoft Office Professional Academic 2013
文書作成 日本語LATEX2ε 日本語LATEX2ε
開発環境 Eclipse Eclipse

2.3.2 MacOS 端末
 MacOS 端末はICL 演習室4 に20 台,および情報科目相談室に1 台,それぞれ設置されています。MacOS環境で利用可能な主なソフトウェアを表3 に示します。

表3: MacOS 環境に導入される主なソフトウェア

OSOS X Yosemite
ウェブブラウザSafari,Firefox,Chrome
オフィススイートMicrosoft Office for Mac Academic 2011,iWork
文書作成日本語LATEX2ε
開発環境Xcode

2.4 センター外部からの利用について

 今回仮想デスクトップ方式を採用したことにより,ICL 演習室の外からでもLinux 環境を利用できる仕組みが整いました。これにより,すべての演習室が授業等で利用されていたり演習室が閉まっている夜間であっても,学生自身が保有するPC を利用してネットワーク経由でLinux 環境にアクセスできるようになります。

3 おわりに

 本稿では,2015 年3 月に新しいシステムに更新された情報教育システムの概要について述べました。新しい情報教育システムの詳細については,教育情報基盤センターのウェブサイト[1] あるいは「東北大学生のための教育系情報システムオンラインガイド[2]」を参照してください。

参考文献

[1]教育情報基盤センター,(http://www.cite.tohoku.ac.jp/index.html)
[2]東北大学生のための教育系情報システムオンラインガイド,(http://www.dc.tohoku.ac.jp/guide/ICL/index_ICL.html)