SuperTAINS への IP 機器の接続

機械系 計算機室 松川 卓二
takuji@cc.mech.tohoku.ac.jp

1 はじめに

 平成7年度末の SuperTAINS の拡充により,小 PD 盤,モジュラ・コンセント (MJ), TPDDI コンセントレータなどの SuperTAINS に欠けていた末端側の設備が大幅に 整備されました。 これらの整備により SuperTAINS がより身近なものになったと言えます。
 そこで,本稿では主に接続台数に応じてこれらの設備を利用して SuperTAINS に IP 機器を接続する方法を紹介していきます。 (ATM で接続する方法は,別の記事で触れています。)
 なお,現在皆さんが使用されているパソコンやワークステーションなどの IP 機器のほとんどで 10Mbps の Ethernet を使用していると思います。 しかしながら現在の SuperTAINS では,ATM,FDDI,TPDDI の3種類のメディアの接続点しか提供されていませんので,10Mbps や 100Mbps の Ethernet 機器を SuperTAINS に直接に接続することは出来ません (*1)。 これらの機器は後ほど紹介するようにルータやブリッジ (Ethernet スイッチングハブ) を介して接続しなければなりません。
 また,SuperTAINS の一つの FDDI ネットワークに直接接続できる機器の台数は 62 台までなので注意が必要です。

2 接続例

(例 1) 数台の端末を高速 (100Mbps) に接続

 SuperTAINS へ 100Mbps で接続する最も簡単な方法は, TPDDI インタフェースを持つ機器を最寄りのモジュラ・コンセントを使って TPDDI コンセントレータに接続する方法です (図 1)。 ただし,TPDDIコンセントレータと端末の間のケーブルはクロス接続になること (*2),コンセントレータから端末までのケーブル長が 100m 以内でなければならないことに注意してください。

図 1: TPDDI で端末を接続

(例 2) 数十台の端末を 10/100Mbps Ethernet で接続

 (例 1) の方法と同じく TPDDI インタフェースと 10/100Mbps の Ethernet インタフェースを持つワークステーションを接続し,それをルータとして設定すれば, 比較的安価に 10/100Mbps の Ethernet インタフェースを持った機器をサブネット側に 62 台まで接続することができます (図 2)。

図 2: ワークステーション・ルータでサブネットを追加

 別の方法として,TPDDI インタフェースと 10/100Mbps の Ethernet インタフェースを持った Ethernet スイッチングハブを接続した場合, FDDI および Ethernet 側あわせて 62 台までの IP 機器を接続することができます (図 3)。


図 3: 幹線 FDDI ループに Ethernet スイッチングハブを直結

(例 3) 百数十台の端末を 10/100Mbps Ethernet で接続

 62 台をこえる機器を接続するには,サブネットを増やす必要があります。 TPDDI インタフェースを持つワークステーションが 1 台しかない場合, 図 4 のようにすれば,10/100Mbps の Ethernet のインタフェースしか持たないワークステーションをルータにすることができ, 複数のサブネットを追加することができます。

図 4: ワークステーション・ルータでサブネットを追加(その2)

 (例 2) の後半の方法を補う形として,Ethernet スイッチングハブの下に ワークステーション・ルータを接続してサブネットを追加する方法が考えられます (図 5)。 この方法ですと TPDDI などの高価なインタフェースを持たない ワークステーションでも簡単にルータにすることができます。


図 5: Ethernet スイッチングハブとワークステーション・ルータの組合わせ

(例 4) 数百台の端末を 10/100Mbps Ethernet で接続

 (例 2) の方法で,複数の 10/100Mbps の Ethernet インタフェースを持ったワークステーションをルータとして接続したり, (例 3) の方法で複数のワークステーションをルータとすれば, Ethernet インタフェースの数に応じて数百台程度の端末を接続することもできます。 しかし,各サブネットの大きさを適切に選択したり, より柔軟にサブネットを構成できるよう Cisco などの専用ルータの方が良いでしょう。
 この場合でも図 6 のように,一つのルータに 複数のインタフェースを付け複数のサブネットを追加する場合と, 図 7 のようにルータの下に Ethernet スイッチングハブを付け通信量を局所化しつつ, 大きな一つのサブネットとして運用する場合が考えられます。

図 6: 専用ルータでサブネットを追加


図 7: 専用ルータの下に Ethernet スイッチングハブを接続

3 おわりに

 ここで紹介した他にも SuperTAINS に IP 機器を接続する方法は, 目的に応じて様々考えられますし,今後も VLAN などのネットワーク技術の発展に応じて, 接続する方法も変わっていくと思われます。 もし,SuperTAINS への移行を考えているのでしたら, 一度,総合情報システム運用センターに相談してみてください。 きっと皆さんの手助けになる有用なアドバイスが得られると思います。

[注釈]
*1 見掛け上は同じ 100Mbps の伝送速度を持つ 100BaseT と FDDI/TPDDI ですが,SuperTAINS 設計当時,100Mbps の Ethernet がまだ規格が決まって いなかったのに対し,FDDI/TPDDI は当時から広く普及していました。 また,FDDI/TPDDI は 100BaseT に比べ, 特に中規模の幹線としての実効最大伝送速度が数倍優れています。
*2 10/100BaseT のクロスケーブルと異なります。


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