建物ごとの SuperTAINS 接続について
総合情報システム運用センター 曽根 秀昭
sone@tains.tohoku.ac.jp
SuperTAINS へ機器を接続する場合に,SuperTAINS で整備された FDDI
ループやコンセントレータに直接に接続するのが,一般に手軽な方法です。
ほかに,独自にサブネットを構成して,サブネットをルータで SuperTAINS
に接続する方法もあります。
これは,1台ごとの手続きや作業が不要になり,したがって,
一か所に固まって配置された複数台の機器を接続する場合には手間やコストを
減らせることが期待できて,効果的です。
サブネットにすることにより,内部で接続方式や通信方式を自由に選択して
運用できますから,SuperTAINS へ直接に接続できないパソコンなどを収容し,
SuperTAINS を利用するよう移行することもできます。
サブネットの外の混雑やトラブルからの影響を最低限に抑えられる特長もあります。
サブネットを構成する範囲は,研究室などの小さい範囲でも可能ですが,
より効果を上げるには,建物全体の問題として移行を検討すべきです。
サブネットを構成する場合に,内部の構成方法に加えて,外 (SuperTAINS
の幹線) との間を接続するルータについて検討する必要があります。
例えば,パソコンなどが30台ほどならば,それらをイーサネット (10Base-T)
で接続し,ワークステーションをルータとして接続する構成で十分に有効でしょう。
高性能のワークステーションが多数ある場合には,それらを TPDDI
でコンセントレータへ収容して,専用ルータ (ルータとして作られた機器)
で接続するのが良いでしょう。
建物内で広範囲にサブネットを構成する場合,PD 盤などの間に敷設されている
光ファイバや UTP ケーブルを利用する方法もあります。
TAINS88 で敷設されたイエローケーブルを,接続されている機器ごと,
サブネットの一部に移行させた例も増えてきています。
本稿に続く三つの記事では,建物全体として SuperTAINS
への移行を行った最近の例を取り上げ,内部とルータを含めた構成と,
その経緯や考え方などを紹介していただきました。
ご多忙の時期に原稿を考えていただいた,
技術専門委員会のみなさんにお礼を申し上げます。
それぞれの記事の例は,ルータの種類が異なっており,そこに大きな特徴があります。
それぞれの種類ごとの特徴を大まかにまとめると,次の表のようになります。
表 1 : ルータの種類とその特徴
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ルータの構成例 │ コスト │ 特長
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│ │機能が揃っている
「専用ルータ」 │ルータが高価 │安定性,収容数が大きい
│ │転送能力が高速である
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ルータ機能付きスイッチ│「専用ルータ」より│最低限のルータ機能はある
│かなり安価 │安定性,収容数が大きい
│ │柔軟に分割構成できる
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ワークステーション │かなり安価 │最低限のIPルータ機能はある
│(中古ならば,なお)│柔軟に機能変更できる
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なお,サブネットの計画に当たっては,
幹線との接続やアドレス割り当てなどに関する調整が必要です。
また,TAINS88 においてインハウスネットワークやサブネットに
割り当てられた細切れのアドレスでは多数の機器を接続して効率的に
ネットワークを構成するのが難しいことがあり,
建物や地区ごとにひと固まりのアドレスブロックにするために,
アドレス割当の変更のご相談をお願いしています。
そのほかの相談にも応じていますので,サブネットの計画や
SuperTAINS への移行の計画があれば,早めに運用係までご連絡ください。
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