SuperTAINS での AppleTalk について

TAINS 利用研究会 AppleTalk グループ
appletalk@tohoku.ac.jp
 TAINS88 から SuperTAINS に移行したとき,Macintosh の AppleTalk を使うには乗り越えなければならない大きな問題があります。 それは SuperTAINS では TAINS88 の様には AppleTalk を使えなくなるということです。
 SuperTAINS の幹線は仙台市内に分散する 5 つのキャンパス間を ATM スイッチで結んでおり,IP over ATM で運用されているため,SuperTAINS 幹線には AppleTalk を直接通すことが出来ません。 しかしながら,図書館の Chemical Abstract 等の文献データベースサービスが AppleTalk のファイル共有を利用していることなどから,SuperTAINS 上でも AppleTalk を利用できるようにしなければなりません。 TAINS 利用研究会 AppleTalk グループでは,このための通信技術や運用法を検討し, IP Tunnel (AppleTalk のパケットを TCP/IP パケットで包む) という方法を用いることに決定し,既に運用に至っております。
 SuperTAINS はサブネットの集合体であり,IP のみが許された SuperTAINS 幹線部分を経由するサブネット間の AppleTalk の通信には IP Tunnel が必要不可欠な技術になります。 具体的には,SuperTAINS のサブネット内の IP Tunnel が可能なルータと, 他のサブネット内の IP tunnel が可能なルータを peer-to-peer で接続することによって,サブネット間で AppleTalk 接続することが出来ます。 この IP Tunnel を用いる利点は,tunnel 部分の設定を間違えたサブネットは 他のゾーンに接続できないだけであり,設定ミスによる他のゾーンへの被害が 比較的に少なく,現状の TAINS88 における管理よりも容易になるという点です。 ただし,サブネットに対する network number 等を誤って設定した場合では, 他のゾーンに被害を与える可能性が大きいので,注意が必要です。
 AppleTalk の IP Tunnel にはいくつかの方言があり,現在 TAINS でサポートされているものは UAR (UNIX AppleTalk Router) および Cayman (CISCO) です。 将来,需要に応じて AURP (Apple Internet Router AppleTalk / IP 接続機能拡張, NEWS WS) および GRE (GatorBox) にも対応するかもしれません。 しかし,Mac 上で動作する AURP に関しては Apple 社が Apple Internet Router のサポートを打ち切ったらしいこと,UAR の Mac 版である MacUAR がメルボルン大学から正式にリリースされたこと等から,UAR と Cayman のみが運用の対象になる可能性が高いように思われます。 この 2 種類の IP Tunnel を中継するために, ts.net.tohoku.ac.jp と同じセグメント (130.34.11.128/26) に SuperTAINS-EtherTalk というゾーンを作り,togatta (CISCO) に星形接続されてきた Cayman の IP Tunnel と, apple.gw.tohoku.ac.jp (別名 ringo) に接続されてきた UAR の IP Tunnel が SuperTAINS-EtherTalk という共通のゾーンを介して相互にルーティングされるようになっています。 TAINS88 は togatta を介して SuperTAINS-EtherTalk にルーティングされており, TAINS88 側とも問題なく通信できます。

注意:

 AppleTalkはルータが流すゾーン情報に絶対の信頼をおいて設計された プロトコルであり,設定ミスなどによりネットワーク上に誤った情報を持った ルータが 1 台でも存在すると,まともに通信ができなくなります。 このため,UAR,MacUAR,Netatalk,Windows-NT サーバ等の AppleTalk ルータ機能を有するソフトウェアや各種ハードウェアルータを 勝手に立ち上げるのは禁止されています。 これらのルータを起動するには運用センターに申請し,許可を得なければなりません。 UAR は Workstation で稼働するソフトウェアで,freeware と shareware のものがありますが,shareware UAR の site license を東北大学で取得してありますので,必要な方は運用センターに申請してください。 申請先は appletalk-alloc@tains.tohoku.ac.jp です。 CAP を利用するために UAR が必要な場合等でも,上記理由により UAR 等を勝手に起動することは禁止されておりますので,くれぐれもご注意ください。 UAR や Apple Internet Router 等に関しては,TAINS 利用研究会 AppleTalk グループが発行している「Macintosh で TAINS 自由自在 第三版」という本に 解説がありますので,そちらをご覧ください。
 IP tunnel を行うには,AppleTalk Zone の network range の取得および IP tunnel の接続先の設定変更などを行う必要がありますので, 運用センターに申請する必要があります。 以下の書式で必要事項を記入し,運用センターに申請して下さい。

申請先:

基本的には appletalk-alloc@tains.tohoku.ac.jp
SuperTAINS へのサブネット構築の申請と一緒の場合は ip-alloc@tains.tohoku.ac.jp でも構いません。 この場合,申請内容は appletalk-alloc@tains.tohoku.ac.jp にも転送され,そこで対応します。
 下記 申請書式 は TAINS88 への AppleTalk サブネット構築にも使用しますし, CAP 等のファイル共有機能を利用するために UAR,Netatalk, Windows-NT サーバ等を接続する場合には 「AppleTalk ルータの接続申請書」 を使用します。 その際には直接 appletalk-alloc@tains.tohoku.ac.jp に申請してください。

AppleTalk ルータ利用のルール:

 以下に AppleTalk ルータ利用のルールを UAR を例として記述します。
 他の AppleTalk ルータ利用に関しても,これに準じます。
  1. seed ルータとしてのゾーン情報の設定機能を有する AppleTalk ルータを使用する場合,所定の書式に必要事項を記入し, 運用センターに申請する。
    宛先: appletalk-alloc@tains.tohoku.ac.jp
  2. uar.conf を使用しなくて済む場合は,uar.conf を使用しない。 cap をぶら下げるゾーンを指定したい場合は,uar の起動 option で指定する。
    例) uar -z TAINS-xxx-yyy Device名
  3. uar.conf を設定する必要がある場合は,原則として運用センターが用意した uar.conf を使用する。
  4. 運用センターが用意した uar.conf ではなく,独自の uar.conf を使用する場合は,予め uar.conf の内容を運用センターで確認する。
  5. ルータ起動作業は,運用センターと連絡を取りながら行なう。
  6. uar の設定変更,使用停止の場合は速やかに運用センターに報告する。
    宛先: appletalk-alloc@tains.tohoku.ac.jp


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