メールサービスの使い方 -- Telnet編 --

総合情報システム運用センター 大沼 忠弘
oonuma@tains.tohoku.ac.jp
総合情報システム運用センター 曽根 秀昭
sone@tains.tohoku.ac.jp

1 はじめに

 前号の SuperTAINS ニュースNo.12電子メールサービス,PPPサービスの利用申請方法および利用方法」で, 大型計算機センターの利用者および本学構成員であれば, 誰でも大型計算機センターと総合情報システム運用センターが共同で提供している, 電子メール機能を自由に利用できることと,その利用方法などについて紹介しました。
 今回は,Telnet接続によるメールの使い方について紹介いたします。 TelnetはTCP/IPのアプリケーション・プロトコルの1つで,リモートの仮想端末機能を 実現するものです。ユーザが手元の端末で,Telnetアプリケーションを起動すると リモート・マシンに接続され,端末のユーザはリモートにある他方のマシンと あたかも直接接続されているかのようにコマンドを使ったり,表示させたりできます。 つまり,パソコン端末からメールサーバに接続して利用できるということになります。
 以下に,この仕組を利用した電子メールの利用方法についてmail.cc.tohoku.ac.jp を使って説明いたします。
 なお,Telnetによる利用は,CSがあればイーサネット接続が不要で,且つ端末化 以外のソフトウェアの準備も不要ですぐに利用できますが,前号で紹介したPOPによる 利用に比べて,コマンドを覚える必要があることや機能が限られていることのために, あまり使いやすいとは言えません。POPによる利用(ソフトウェア名は例えばEudora, Winbiffなど)は使い方が簡単ですので,初心者の方にはこちらをおすすめします。

2 mail.cc.tohoku.ac.jpの利用

 mail.cc.tohoku.ac.jpは,TAINS を経由して学内の研究室などから利用できます。 またmail.cc.tohoku.ac.jpと同じIDおよびPasswordを利用してts.net.tohoku.ac.jp のPPP接続を経由して,自宅や出張先から利用することもできます。 mail.cc.tohoku.ac.jpの利用申込は, SuperTAINS ニュースNo.12電子メールサービス,PPPサービスの利用申請方法および利用方法」 をご覧下さい (*1)
 準備する端末は,パソコン端末,どこを経由するかによって選択したNIC(Network Interface Card),イーサネットケーブル,TCP/IPソフトウェア,それとTelnetソフ トです。一方CS(コミュニケーションサーバ)を利用する場合にはNICとTelnetは不 要で,代りにシリアルケーブルでCSに接続します (*2)

3 mail.cc.tohoku.ac.jpとの接続

 TAINS 経由の接続方法は,次のとおりです。
  1. Telnetソフトを起動。
    お使いのパソコンのTelnetソフト (TELNET,TeraTerm,ASL Telnet,NCSA Telnet,KTERMPCなど)を起動 してください。
  2. Telnetソフトから接続先のアドレスとして mail.cc.tohoku.ac.jpを指定します。
    接続先の指定方法はTelnetソフトによって違いますが,TeraTermでは New connectionまたASL TelnetではOpen Connectionを選択して アドレスの指定をします。
    CSを利用する場合には,Telnetコマンドでアドレスの指定をします。
  3. これで「login:」の表示が現われます。
  4. メールサーバの利用者IDを入力します。
    総合情報システム運用センターに利用申請した,mail.cc.tohoku.ac.jpのIDを 小文字で入力してください。
  5. 「Password:」の表示が現われます。
  6. パスワードを入力します。
    総合情報システム運用センターから発行された初期パスワード, または変更したパスワードを入力してください。表示は出ません。
  7. しばらく表示が続いて,「1 mail ID名>」の表示が出れば 利用開始状態になります。
  8. mail.cc.tohoku.ac.jpの利用。
    メールの利用については,次節で紹介します。一般的な利用方法については, UNIXのガイドブックなどをご覧ください。
  9. 利用の終了。「logout」コマンド。
    終了する場合は,必ずこれを入力してください。TAINS の接続は 自動的に切れますが,PPP接続の場合は電話の接続を継続していますので, ご注意下さい。

4 メールを読む

 mail.cc.tohoku.ac.jpで自分宛に届いたメールを読むときには「mailx」コマンドを 使います。mailx内部のコマンドはmailxが「?」を表示しているときに 「?」を入力すると,概略を説明したリストが表示されます。詳しい説明や他の 使い方は,市販のUNIXの説明書,あるいはUNIXのマニュアル,コマンド「man mailx」(英文で恐縮ですが ^_^;)で表示されるマニュアルで調べてください。 UNIXでは,計算機にログインしたときに自分宛にメールが届いていれば, 「You have mail」という表示があります。メールが届いていなければ, 「mailx」コマンドを入力しても「No mail for ID名」と表示が現われ, 自動的に終了します。
  1. 「mailx」コマンドを入力します。
    届いているメールの一覧が表示されます。1通ごとに1行づつ, 差出人のアドレス,到着日時,長さ(行/字),タイトルの順に 表示されます。行の先頭にNが付いているのが,新規に届いたもの です。Uは,前回読まずに放置したことを示しています。これらの 状態表示の先頭に,今あるメールの通し番号が表示されています。 以下にこの番号を使ってそれぞれのメールを区別します。
  2. 読むメールの番号を入力します。
    先頭から順に読む場合には,番号を入力せずにリターンキーを叩く だけで順次表示されます。
  3. 処置のコマンド。
    今表示したメールを消す場合は「d」,再表示させるならば「p」を 入力します。終了後にmboxというファイルに追加して蓄えるならば, 何も指定せずに次のメールに進んで構いません。もし,返事を出す ならば「R」(*3)を入力し, 普通の発信と同様に,内容を打ち込みます。
  4. 次のメールの番号を入力し,これを繰り返します。
  5. 読み終えたら「q」コマンドで抜けます。
    「mailx」コマンドを終了します。読んだままのメールはmboxに移されます。 消去が指定されたものは消去されます (*4)。 「q」コマンドの代りに「x」コマンドで終了すると,どれも読まなかったか のように扱われ,消去を指定したファイルも残されます。
  6. 保存したメール(mboxに入っているメール)を読む場合には, 「mailx -f」と指定して読みます。

5 メールを送る

 当然のことですが,相手のアドレスを知っておくことと,メールの内容を考えて おくことが必要です。メール文章を直に打ち込みますが,パソコンのファイルから テキスト送信で送りこむことも可能です。
  1. 「mailx 相手アドレス」という形式のアドレスを入力します。
    送る相手が複数の場合,アドレスを空白またはカンマ(,)で区切って 並べます。同一の計算機(この場合mail.cc.tohoku.ac.jpになります)の ユーザ宛に送る場合には,アドレスの「@」以下を省略し,ユーザ名だけで 送ることができます。
  2. 「Subject:」の表示が出たら題目を入れます。
    題目には日本語を使わず,英語やローマ字で打ち込みます。
  3. 本文を打ち込みます。
    何もプロンプトの類が表示されませんが,本文を打ち込んでいきます。
    途中で文面を確認するには「~p」,viなどのエディタを呼出すには 「~v」を入力します (*5)
  4. メールを送信します。
    メール文章が完成したら,「.」(ピリオド)1つだけの行を入力します。 必ず行の先頭に入力して下さい。
    mail.cc.tohoku.ac.jpの場合,「.」で 送信することができますが,計算機の環境によっては「^D」 (Ctrlキーを押しながら「d」)の入力で終了 しなければならない場合もあります。
    リターンを入力した時点で,打ち込んだメール文章のメールが送信されます。

参考

 よく送る相手のアドレスを設定しておくこともできます。 読み終わったメールの扱いなど,メールを読み書きするときの細かい動作の指示と ともに,.mailrcファイルに設定を書いておくといいでしょう。
 このサービスの利用に関する連絡先は,次の通りです。
        東北大学総合情報システム運用センター
            電話   (022) 711-3412
            FAX    (022) 262-3422
            Email:  tains@tains.tohoku.ac.jp

[注釈]
*1 1回目に使うときのみ,環境設定ファイルのコピーを行います。
*2 CSのTelnet機能を使います。
*3 元のメールで宛先が複数だったときに「R」と「r」では機能が異なって, 「R」ならば元のメールの発信者にだけ返事が行き,「r」では他の受取人へも 返事が行きます。
*4 読み残したメールや読んだままで何もしなかったメールの扱いは, mboxの最後へ移す動作と,元の場所に保留のまま戻す動作を選択して設定して おくこともできます。
*5 「~v」では,環境変数VISUALに登録されているエディタが起動され, 「~e」では,環境変数EDITORに登録されているエディタが起動されます。


www-admin@tohoku.ac.jp
pub-com@tohoku.ac.jp