ごあいさつ

総合情報システム運用センター長 根元義章
 つい10数年前までデータ通信の速度は,同じキャンパスの中ですら1秒間に 300ビットという時代でした。いまでは,まさに隔世の感があります。 東北大学では,昭和63年(1988年),TAINS88の稼動開始により, インハウスネットワークで10メガビット毎秒(以下Mbpsと略記します) の通信速度が可能となりました。その後,現在では,研究室にいながらにして 最速156Mbps,そして東北大学の5つの主要キャンパス間の全てを622Mbpsの スピードで結ぶSuperTAINSが稼動し, 教育研究を支える重要なインフラストラクチャとしての機能を果たしつつあります。
 このような情報通信技術の急激な発展・高速化によって,文字情報だけではなく 画像情報,音情報などを統合したマルチメディア通信がキャンパスの隅々まで, さらに世界の各地を結んで行うことが可能となってきました。 また,これと歩調を合わせた情報処理技術の発展・高度化により,これら各種の情報の 統合したマルチメディア情報処理が手元のコンピュータで行えるようになってきました。 机上のコンピュータが,高速ネットワークに接続され,その上で, これらのマルチメディア技術を駆使した最新の応用ソフトウェアが動作する時代 −マルチメディア時代− は,もう未来の物語ではないといえましょう。
 このような急激な変化の時代の真っ只中に,初代曽根敏夫センター長の後任として はからずも東北大学総合情報ネットワークセンター長をおおせつかりました。 非才の身でありセンター長としての責務を全うできるか危惧いたしておりますが、 お引き受けした以上は,皆様のより一層のご指導,ご鞭撻により, 職務をまっとうできるよう,全力をつくそうと考えておりますので, どうぞよろしくお願いいたします。
 さて,マルチメディア時代を迎えているとはいえ,このような高度な情報通信・ 情報処理システムが,一部の専門家だけのものであるうちは,真の マルチメディア時代が到来したとはいえないのではないかと考えます。 センターの責務は,世界最先端の研究に従事され,同時に次世代の科学技術を担う 若者の教育にあたっておられる東北大学の教官,研究者,さらには職員等の本学の全ての 構成員の方々が,最先端のマルチメディア環境を享受され,よりよいお仕事を していただくことができるよう,お手伝いをすることにあると考えています。
 また,現在,社会のあらゆる分野において,世界的な変革が進みつつあります。 学術環境も例外ではありません。ネットワーク技術の急激な進歩発展は, あらゆる情報が,国境というバリアを簡単に超えることを可能にしました。 このような環境の中では,日本だけが独自の社会システムを維持することは不可能です。 世界的な変革の中で,日本もそれと歩調を合わせて世界基準に適合することが 求められているのです。このような時代の中で,大学におけるネットワーク環境, そしてその上に構築される総合的な情報処理システムについても, 世界的な進歩に即応して日々進んで行くことが強く求められています。 この要求に応えるためには,時代に促し,また,将来を見据えた適切な方略を 構築するとともに,その方略に沿った施策を定めて,これを着実に実現して行くことが 必要といえましょう。
 このような問題意識の下,本センターは,どのようなコンピュータネットワーク 環境を皆さんに提供すべきかを真剣に追求し,少しでもよい環境の実現に向けた努力を 続けていくことが必要です。そのためには,システムの利用者と, 管理・運営に携わる人が,密接に連係することが不可欠です。 そのような連係の中でこそ,東北大学の情報インフラストラクチャに何が求められ, 何が期待されているのかが明らかとなり,我々の取り組む課題も明確になってゆくと 考えます。皆様の本センターに対するこれまでのご理解とご協力に改めて感謝 申し上げますとともに,これからも一層のご支援をお願いし,ご挨拶とさせて いただきます。


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