学内WWWあんなページこんなページ 第7回

東北大学大学院情報科学研究科
情報応用数理学講座堀口研ホームページ

http://www.statp.is.tohoku.ac.jp/
情報科学研究科 情報基礎科学専攻 松本 欣之
matumoto@statp.is.tohoku.ac.jp
情報科学研究科 情報基礎科学専攻 山川 英紀
yamakawa@statp.is.tohoku.ac.jp

1 それは突然に

 堀口教授からのホームページ作成の依頼は,一昨年の10月中頃, 突然にやって来ました。それは,それまでの暫定ホームページを一新し, 学部学生の研究室選定や,学外の研究者への情報発信などを考慮した, 研究室を多くの人々に知ってもらうことのできるホームページを作成し てほしいという依頼でした。依頼をされたのは,当時既に個人のホーム ページの作成を行っていた2名の学生であり,幸か不幸か,この学生達 の手に堀口研のホームページの作成と運営が委ねられたのです。

2 設計の技法

 具体的な目的を持った訪問者を想定してホームページを設計することは 難しくありません。このページにはどのようなコンテンツがあるのか, そしてそれが何処にあるのかを,分かり易く示せば良いのです。しかし, 全ての訪問者が具体的な目的をもっているとは限りません。実際,多く の訪問者は,漠然とした目的でネットワークを彷徨い,いろいろなペー ジをブラウズ(覗き見)する,文字通りの『ブラウザー』なのではない のでしょうか?それは,教材を求めて検索エンジンに乗って配線の彼方 からやってきた,小学校の先生かもしれないし,あるいは,関連の海の 海図と好奇心の羅針盤に従い,リンクを辿ってやってきた,気ままなネ ットサーファーかもしれないのです。ただコンテンツを『置いておく』 という設計では,そのような訪問者の心を捉えることはできません。そ のためには,訪問者達にコンテンツの存在を主張し,その利用の可能性 を提案する,いわば,コンテンツを『魅せる』必要があるのです。この 2種類の訪問者を想定し,ホームページの設計コンセプトは次のような ものになりました。
  1. 多様なコンテンツの充実
  2. デザイン性を重視したアピアランスの導入
  3. コンテンツに対するナビゲーションの充実
1.は,研究内容が様々な体系に適用される統計物理であることから, いわば必然的なものであり,2.は,外観という誰にでも感じることの できる個性によって,多くの人々をひきつけるためのものです。そして 3.は,単なるコンテンツの位置を示すだけでなく,その利用の可能性 も指し示そうというものです。これら3つのコンセプトに従って,ホー ムページの実装に取りかかることになりました。

3 実装の原理

3.1 アピアランス

 読み込み時間が長くなるという難点から,多くのイメージを導入するこ とには,消極的になりがちです。しかし,だからといって,文字中心と してしまうのでは,本末転倒,HTTPであることの意味がありません。 そこで,Snow Blindと呼ばれるグレイレベルを中心としたデザインテーマ の考案がなされました。Snow Blindは,デザイン性を保ちつつ画像容量 の削減を可能にすると同時に,様々なモニタ環境において,忠実に色調 を再現することを意図したデザインテーマです。このデザインテーマは, オープンキャンパスなど研究室の様々なイメージングに適用され, 堀口研のカラー(特色)を形成しつつあります。 なお現在は,学内からの閲覧が一番多いことや,秒進分歩と比喩される 電算機テクノロジの発展速度を考慮して,やや高速な接続環境を想定した 容量設計で運用されています。

3.2 コンテンツ

3.2.1 研究内容紹介

 堀口研究室では,個人個人が統計物理の適用される様々な体系の研究をしており, ホームページで紹介すべき内容は,多岐にわたっています。 その反面,理論系の研究室であるため,研究内容のコンテンツを作成するには, 先立って,それらの可視化を行う必要が生じます。 現在,全ての研究内容の可視化には至っていませんが,そのうちの幾つかは, 訪問者に,視覚的にわかりやすく,興味をもってもらえるよう心掛けて構成され, ホームページ上の〔研究内容紹介〕内に公開されています。 単純な構成要素がたくさんあつまり,相互作用することによって 生み出される様々な現象を理解しようとする,統計物理の面白さを 感覚的に知ってもらうことが,研究内容紹介の狙いとなっています。


図 1: Snow Blindテーマによるインデックスページ


図 2: 研究内容紹介

3.2.2 その他コンテンツ

 研究室内のイベントの写真や,構成員の紹介ページなど,研究室外の 人を対象にした部分と共に,文字どおりのホームページとなるよう, 研究室内の人を対象とした計算機環境の覚え書きやゼミの連絡など, 研究室内外での利用を積極的に行うよう作成がなされています。

4 運営の定理

 作成以上に難しいのが運営です。 現在は,研究室のコロキュウムの予定などが逐次更新されていますが, ホームページ全体が生き生きと動いているとはいいがたいのが現状です。 この原因は,コンテンツの整備の遅れなどもありますが, 一番の原因は「担当者がホームページを創っている」という感覚にあるように 思います。本当に活気のあるページを形作るのはデザインや コンテンツではなく,研究室に籍を置く全員が 「ホームページを創っているのは自分達だ」という意識を持つことだ ということを,を今さらながらに強く実感しました。 思えばこれまで,コンテンツやデザインといった物理的な整備は 行ってきましたが,ホームページに対する意識や雰囲気といった部分は, 作るどころか,気付きさえしなかったわけで, 作成担当者として反省している次第です。

5 配線の果てに

 作成の依頼を受けて1年半が過ぎました。 当初かかげられたコンセプトを実現するために, 現在もホームページの改良と新たな部分の作成が行われています。 今後は,研究室の全員が参加してコンテンツの充実を計ると共に, 積極的にWebの先端テクノロジを導入し, より多くの人に堀口研究室を知ってもらいたいと考えています。


図 3: コンテンツ


www-admin@tohoku.ac.jp
pub-com@tohoku.ac.jp