学内WWWあんなページこんなページ 第9回

東北大学大学院工学研究科 土木工学専攻ホームページ

http://www.civil.tohoku.ac.jp/
東北大学工学研究科土木工学専攻 岩熊哲夫
武山泰
寺田賢二郎
www-admin@civil.tohoku.ac.jp

1 橋やトンネルは誰が設計しているか御存じですか?

 橋やトンネル・港・ダム等は「建築」家が設計していると思っていませんか。 そして事件や問題を起こすのが「土木」作業員(笑)。 高校生はもちろん,かなりの方々がそのように誤解しておいでです。 そこで15年程前から高校生や新入生を対象とした写真中心の パンフレットを用意し,土木技術のことを正しく知ってもらって 受験や学科選択の際の情報にもなるように, 機会ある毎に郵送・配布してきました。 本専攻のホームページは,そのパンフレット原稿のLaTeX 版を 変換ソフトjlatex2htmlを用いて作成したのが最初でした。 それに研究内容紹介等を付加してできたのが現在のページで, 正式に公開したのが1995年9月です。 ここでは主に日本語のページ(図 1がホーム ページの頭の部分)について解説しましょう。

2 そんな訳でのページ表現と内容

2.1 ちょっとばかし写真が多過ぎる?


図 1: 日本語ホームページ

 そもそもパンフレット作成の時から,若い世代に読んでもらうためには 写真週刊誌のようでないといけないという考えで始めましたから, どのページでも写真や図(大きいものはinterlace化したgif画像)を 多用しています。 作成当初はまだTAINS88 上のホストで提供していましたので, 学外からアクセスする卒業生等からの苦情も多々届きましたが, そういったインフラも学内外で近い将来高度化されると信じ, 敢えてビジュアルなものを多用する方針で作成してきました。 なお,アイコンや写真はすべてのページでできるだけサイズ等を 揃えてあり,ページ間のアンバランスを無くすようにしてあります。 また現在は直接HTMLで記述・作成していますが,当初の 変換ソフトが生成したナビゲーション・ボタンについては できるだけ流用し,訪問者の便宜を図るようにしてあります。

2.2 それにしては文章も多い?

 主な対象は若い世代ですが,最初にページ群を仕上げた人が 活字世代だったこともあって, 日本語・英語の両ホームページそのものにすら, リンク先を説明する複数行の文章(図 2)が多々現われます。 確かにアイコンを使ったナビゲーションは格好がいいのですが, デザインによっては独り善がりになって,そのリンク先の 情報を的確には伝えられなかったりします。 ですからここでは,簡単あるいは概念的なアイコンの横に, できるだけ簡単にそのリンク先の内容がわかるような 説明文を付けてあります。そして, アイコンと説明文中のアンカーのいずれからでもリンク先に 移動できるようになっています。 場合によっては説明文中に,関連したページへのリンクもあります。 また同様の経緯から,上から下に順に読む本のような構成を主とし, フレームやマルチカラムは使わないように(一部,レイアウトのために 表を使用)しました。


図 2: 主要なウェブページ群への目次

2.3 高校生や新入生・一般市民は何に興味がある?

 上述の経緯のように,既に存在していたパンフレットを元に 作成したページが あたりです。いずれも,できるだけ中学生以上が分かるような表現で, これも写真や図を並列させて土木工学の対象を明らかにするような 内容になっています。 特に「土と木」は我が専攻オリジナルの概念図で,このホームページを 公開した比較的早い段階に,京都大学の土木の紹介ページ等からも リンクされています。


図 3: 土木工学って何だ?

 これに加えて比較的最近企画された「工学研究科公開講座」や 「工学部オープン・キャンパス」という一般市民対象の行事のうち, 土木工学専攻の情報だけをウェブページ(日本語のみ)として 置いてあります。 さらに学外からの土木に関する問い合わせの窓口として 「土木質問箱(日本語のみ)」を設置し,小学生等の素朴な疑問から 土木技術者の技術的質問に至るまでの声を受け付けています。 入力された質問は専攻内の全教職員にメイル配信され, その質問内容に近い専門分野の教職員が適宜回答を本人に メイル返信します。 そのやり取りの中の代表的なものを,「質問箱」の ウェブページにも「主な回答」として置くようにしています。


図 4: 「土木」という土と木

2.4 専門教育や研究の内容も情報発信しなければなりません

 もちろん,土木工学の学生や専門家・技術者も重要な 訪問者なわけですから,もっと研究や教育内容そのものについても 情報発信しておかなければなりません。そこで, 各大講座内の個々の分野の比較的若い先生方で分担協力して, 「研究や教育内容(図 5)」と 「各研究スタッフの個人情報(図 6)」の ページを作成してもらいました。 どちらのページ群も基本的に全分野がほぼ同じフォーマットで, 同じ背景を用いたものにし,前者は を含むページになっていて,後者は,各人の所属学会や 専門分野・業績リストを並べてもらいました。 分野毎ページの相対位置関係は,公式の大講座構成と 同じになるようなリンク構造になっていますので, 他大学で例えば改組等の情報に興味のある教職員にも, 本専攻の教育・研究組織が明確になるようになっています。 現在このページ群は後述する分野毎の担当者が管理しています。 このように,一定のルールに従って各ページを作成しましたし, 専攻の公式なページ群として可能な限り高校生にも 分かるような表現を心掛けてもらいましたので, 表現や内容についての分野間・個人間アンバランスを無くすことができ, 初心者を含む訪問者にも読み易く比較し易くなっていると思います。


図 5: 講座・分野ごとの研究紹介のページ

 もちろん, もっと専門的な内容・表現の情報発信ページを探している 高度な知識を持った訪問者もいます。 このような訪問者に対応した専門的なページについては, 個々の分野で別途ホストとホームページを準備してもらい, 上述の土木工学専攻の研究分野毎の公式 ウェブページからリンクを張ってもらうようにしました。 そこには,より詳細な研究内容紹介や卒論・修論の 概要文章等が載せてあり,分野毎の(研究内容だけでなく ページ作成者の審美的なセンス等の)特色を最大限 出せるようになっています。 同様に,より詳細な個人的な情報ページが別に用意されて いる場合にも, 公式の各個人情報ページからリンクを張ってもらうようにしました。 このページの二重構造は, 管理者にとっては手間がかかる構造になってしまいますが, 多種多様な訪問者に対応するためには必要な措置と考えています。
 また,外部評価を含む外部からの情報収集のためだけではなく, 在学生はもちろん,他大学等から本専攻への編入学希望者等の 便宜のために

のページを設置してあります。 前者のうち大学院のシラバスは工学研究科ではまだ正式には作成されて いませんが,特に学外からの編入学希望者等を念頭に置いて, 土木工学専攻の科目のいくつかについて試験的に 作成したものです。 後者は1991年分から工学研究科の各事務室で正式に公開していますが, これも学外からの受験生のことを考えて,我が専攻では ウェブページ上でも公開しました。

2.5 その他のサービスとしては?

 その他,訪問者へのナビゲーション補助やサービスとして 等を,ホームページの「まえがき」の部分(インデックス・ ボタンはほとんどすべてのページ)に設置してあります。 もちろん,もともと番号非通知に設定されているダイアルイン電話番号等を 公開するのはためらわれましたが,正当な理由で本当に必要な外部の人への サービスとして置いてみました。

3 しかしページの更新はなかなかスムーズには・・・


図 6: 個人情報のページ

 現在,17の専門分野(土木工学専攻に関連する情報科学研究科の1講座と 災害制御研究センター・東北アジア研究センターの各1分野とを含む)と 事務室から1名以上の担当者を教職員・ 学生の中から選出してもらい,計29名でページの更新や管理を しています。連絡と更新や改訂のアイデア等については 担当者間のメイリング・リスト(本記事著者欄のID)を通して行っています。 ただ,各分野毎の公式ページの更新をつい忘れがちになる のが現状です。また専攻内共通のページになると,その内容や表現について なかなか新しいアイデアが出ません。さらに英語のページは, 主に留学生や留学希望者だけを対象とした最小限の 内容になっていますが,この更新や充実がまだ不十分です。
 個人情報ページの更新では間違いを無くすためにも, 原則としてその本人がページ内容をダウンロードした上で 更新し,その改訂されたファイルを ウェブ上でホストにアップロード(cgi使用)し, 通知を受けた担当者が 所定のファイルを置き換えるという方法を採っています。 シラバスの場合は印刷冊子を作る関係でLaTeX に よる(LaTeX の知識無しでも書けるような)ソースファイルを 授業担当教官自身が作成し,アップロードされたものを 担当者がjlatex2htmlHTMLファイルに 変換するようにしています。 分野毎の研究紹介のページについては,その研究室の担当者が 責任を持って更新することになっています。 更新はホストにログインして行ってもいいのですが,この ホストにはCAPsambaがインストールされて いますので,パソコン端末から直接ファイルを編集することもできます。
 なおホストとしては,1998年6月頃までは一研究室が ボランティアで提供していたマシンを用いていましたが, そのマシンが老朽化したこともあって, 専攻内のネットワークがSuperTAINS に移行した 際に導入した専攻共通のマシンを使っています。 上述の各分野から選ばれた担当者は,このマシンの利用・運用上で 若干ですが優遇される権利を持っています。 wwwサーバソフトは8月現在でApache 1.3.6を 使用し,大雑把には学外から日に100人くらいの方がどこかの ページを訪問し, 平均して3〜4ページを閲覧していることになっています。 この現状がどういうことを指し示しているのかは まだ分析しておりませんが,そういったログ等を観察しながら 今後も少しずつページの改善をしていきたいと考えております。 お時間のある時にご覧いただき,伝言板かメイルでご意見を お聞かせいただければ幸いです。


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