勉学研究支援としての生協の役割
−生協のネットワーク広報(無店舗販売に対するとりくみ)−
http://www.tohoku-bf.u-coop.or.jp/

大学生協東北事業連合 石塚 哲
ishizuka@u-coop.or.jp
 大学生協は大学の福利厚生の一つの団体として学内で様々な活動をさせていただいております。その中で大学生協は微力ながら勉学研究の手助けが出来るよう商品の調達やサービス,さまざまな情報収集と提供に努力して参りました。生協がネットワークという切り口でどのように進化していこうとしているのかこれまでの経緯とこれからの展開などについて簡単に説明させていただきます。

東北大生協のこれまでの取り組み

  1. 情報発信のツールとしてのネットワーク活用
     ネットワークへの生協の関わりはTAINS88のインフラが出来た頃から生協がシリアルケーブルの販売などを通じてパソコンをTAINSに接続するお手伝いをおこなったのが最初でした。東北大学生協は情報発信のためのサーバー設置許可を頂き1989年からTAINSに接続させて頂き,「COOP情報システム」というtelnet形式での情報提供をスタート致しました。その後Web版として1995年夏に現在のサーバーを立ち上げ,現在に至っております。
  2. 学内の要望にお応えして
     少しづつ利用が増加するにつれて要望も多く出されました。初期の情報提供のコンセプトはCDや書籍の紹介,チケット販売情報,バス時刻表,そして生協からのご案内と一言カードの掲示でした。その後Web版になってからは各キャンパス近くのバス時刻表・新幹線時刻表・航空ダイヤなどを要望で少しづつ充実させて参りました。また,書籍の注文がお店に行かずとも研究室からできるということで評判となりました。お店からの情報や時刻表などは学内の皆様や学会運営関係者から大変喜ばれております。また,内線電話などがいつも話し中だと苦情が寄せられる事が多くなり,その対応策として生協も学内LANを使いE-mailを使わせていただくことになり,1995年夏からはお店とE-mailでも問い合わせなどのやりとりが出来るようになりました。お弁当のメニューもご利用が多く,今後E-mailでもご注文頂けるように準備を計画しております。今ではトラベルコープを中心にお店への問い合わせは非常に増加していてお店の作業スタイルも変化しつつあります。注文件数は月平均500件前後と活用されております。


    図1: 東北大学生協 http://www.coop.org.tohoku.ac.jp

    昨年は工学部店で21:45までの夜間営業の実験も行いました。この時は,夜食(パン・弁当など)を購入する頂く際に在庫があるかどうかカメラサーバーを設置することで前もって状況がわかるように致しました。簡易なものでしたが,「役立ちページ」として活用されました。今後は,食堂の混雑状況の表示なども検討したいと思います。

  3. ほかにも役立つ生協のサーバー
     営業時間やお店のイベント情報・企画商品のご案内などはもちろん行っておりますが,洋書インターネットサービスは丸善と提携し1997年5月からサービスを開始致しております。


    図2:洋書 http://www.mz.u-coop.or.jp/
    和書 http://shop.seikyou.ne.jp/

     残念ながら検索機能まで付けてはおりませんでしたが和書の新刊情報やCD新譜情報はこれまで独自入力で掲載しており,そこからご注文頂ける様になっておりました。1998年5月からは日本書籍販売株式会社のデータベースを使い書籍の検索発注が出来るように変更いたしました。また,CD(2000年9月を予定)・ソフトウェアー・その他の商品についても今後順次追加サービスを検討しています。この仕組みはTuoカード(銀行系クレジットカード付組合員証)でも決裁できます。また,アパート物件紹介などは新入生や他県からの大学院進学者からの問い合わせも多数頂いております。住まいのご紹介はこの様に県外の方からのお問い合わせも増加していますので全国の大学生協と共同で住まい斡旋のデータを共有し検索できるようにすることも検討しております。1999年からは提携店と一緒にフラワーギフトやタイヤ販売のサービスも開始致しました。他のサービスとして原稿をサーバーにお送りいただき,プリントしてお届けするサービスも行っております。このSuperTAINSニュースの印刷を落札させていただいたときにもTeXのファイルでネットワーク経由で原稿をいただき,それを出力して印刷・納品しております。まだまだ多くの新しいサービスも考えられるところですが,専門家集団ではございませんので模索しながら少しづつ構築していきたいと思います。

  4. 一言カードの活用
     要望にお応えする一つの方法として「一言カード」があります。かなり厳しいご指摘もいただき,都度感謝の気持ちで受けとめております。この一言カードは生協のあるべき姿をいつも振り返る事が出来るのと同時に業務改善のためのポイントでもあります。これからも皆様からの多くのご意見を頂くことでよりよい生協を作るために努力させていただきます。

東北大学生協のサーバーと業務ネットワークの関係

  1. 東北大学生協のサーバーと大学生協東北事業連合(東北大生協をはじめとした東北地方の14の大学生協で構成している共同仕入などの組織)のサーバーが連携しています。
     東北大学生協のサーバーは単独で多くの情報提供をしております。しかしながら,東北の各大学生協でも同様な情報提供をしなければならない内容もございます。このため共通の発信情報(東北地区統一企画商品情報など)は学外のサーバーに置いております。それぞれリンクするように構成しております。


    生協インターネットのアクセスポイント
    http://www.seikyou.ne.jp/network/index.html

  2. 生協のネットワークインフラ
     東北地区の生協ではインターネット接続サービス(入会金4,000円年間12,000円の会費で使い放題)も1998年3月からおこなっています。このインフラは業務にも使おうということで昨年からこれまでmodemでVANに接続していたものをインターネットへ移行致しました。この準備段階として各大学生協のある所にアクセスポイントを開設して参りました。このアクセスポイントから各大学生協は専用線接続やINS回線を新たに準備し,接続しております。東北大学生協も例にもれず本部・川内の建物には生協インターネットのアクセスポイントから専用線が延びております。他の生協(建物)はINS回線を使い生協インターネットにダイヤルアップするようになっております。将来は公衆電話回線の使用料とダイアルアップの料金を見ながら専用線への移行を検討致しております。東北大生協片平売店はネットワーク的には孤立している建物であったため東北大生協片平本部と電話回線の空きケーブル(DryCopper)をお借りして実験的にSDSLで接続しています。新しい技術も少しづつ取り入れながら環境の改善をしています。
     生協インターネットとの共存することで想定されるるトラヒックの問題は,会員の多くは夜の活用が多く生協の業務は日中に集中していますので回線の稼働率を上げることができています。業務情報を流すことについてはJENS(AT&T)の回線を経由しますのでVPNを使いセキュリティを強化するように設計されています。
 これからも新しいネットワーク技術を取り入れながら大学の皆様のお役に立つよう努力させていただきます。これからもよろしくお願いいたします。


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