学生用電子メールサービスの運用開始について
教育情報基盤センター 磯辺秀司
教育情報基盤センター 小泉英介
教育情報基盤センター 行方義忠
1 はじめに
本学の次期情報化推進アクションプラン(2012 年)において,全学的な電子メールサービスの整備が優先度の高い検討事項に掲げられ,全学の共通的な情報基盤として整備する方針が示されました。これを受け,2014 年10 月から新しい学生用電子メールサービス(Digital Campus Mail,DC メール)がスタートしました。DC メールサービスは大学と学生との間の公式の連絡手段の一つとして位置づけられています。また,DC メールは災害など非常時の安否確認・緊急連絡手段の一つとして利用されることが想定されています。本稿では,DC メールの概要を紹介するとともに,いくつかの利用上の注意点について述べます。
2 DCメールの概要
2.1 DCメールの利用対象者
DC メールは本学に所属する全ての学生(学部生,大学院生,非正規学生)が利用者となっています。統合電子認証システムにおいて学生のデータが作成されると,東北大ID をユーザID,東北大ID パスワードをパスワードとするDC メールアカウントが自動的に作成されます。利用開始にあたって,特別な利用申請などは必要ありません。大学院への進学などの事情で学籍番号が変更された場合であっても,東北大ID の変更がない限りは同じアカウント,メールボックスを引き続き利用できる仕組みになっています。
2.2 利用形態
2015 年2 月まで運用されていた学生用電子メールサービス(旧メールサービス)では,ウェブメールクライアントのみの提供となっていましたが,新しいDC メールサービスではウェブメールクライアントに加えて,PC やスマートフォン上のメールアプリからの利用(SMTP,POP/IMAP)にも対応しています。旧メールサービスと同様に,DC メールサービスのアドレス宛に届いたメールを普段主に使用している別のアドレスに転送することもできます。転送設定やメールボックスの管理などは全てウェブメール上で行います。
2.3 メールアドレス体系
各学生には以下のメールアドレスが割り当てられており,いずれのアドレスに送信されたメールも同一のメールボックスで受信できるようになっています。
全学メールアドレスの(Name) の部分は,各自の姓名に基づいて決定される文字列であり,東北大ID が生成される際に自動的に決定されます。(ユーザが独自に設定することはできません。)サブID アドレスは学生本人が統合電子認証システム上でサブID を設定している場合のみ有効となるアドレスです。学籍番号アドレスについては,迷惑メール防止などの観点からいくつかの制限があります。この制限については次節で述べます。
表1: DC メールのメールアドレス
全学メールアドレス | (Name)@dc.tohoku.ac.jp |
サブID アドレス | (サブID)@dc.tohoku.ac.jp |
学籍番号アドレス | (学籍番号)@dc.tohoku.ac.jp |
2.4 大学院進学時および卒業・修了時について
大学院進学などの事情により学籍番号が変わった場合,新しい学籍番号に基づく学籍番号アドレス(新学籍番号アドレス)が自動的に生成され,新学籍番号アドレスによるメールの送受信が可能になります。新学籍番号アドレスが有効になった後,以前の学籍番号アドレス(旧学籍番号アドレス)に送信されたメールについては引き続き受信することができます。しかし,旧学籍番号アドレスによるメール送信はできません。
卒業・修了などにより本学を離れた後は,DC メールを利用することはできなくなります。ただし,DCメール上であらかじめ転送先アドレスを設定しておくことにより,本学を離れて2 年間はDC メールのアドレス宛に届いたメールが転送先アドレスに自動転送されます。
2.5 非常時対応
DC メールのアドレスは,2014 年10 月から運用が開始された「東北大学安否確認システム」に登録されており,災害等の有事の際に安否確認メールや緊急連絡が届くようになっています。しかし,災害時にDC メールのサーバが停止してしまうと安否確認システムからの連絡がDC メールのアドレス宛に届かなくなります。
このような不測の事態を想定し,DC メールサービスでは大学の外部に非常時用サーバを準備しています。非常時用サーバには各学生がDC メール上で設定した転送先アドレスが保持されており,定期的に最新のものに更新されています。DC メールのサーバが停止した場合であっても,非常時用サーバを利用することで,そこに保持されている転送先アドレスに対して緊急連絡を送信できる仕組みになっています。
3 学籍番号アドレスに関する注意
学籍番号アドレスについては,迷惑メール防止等の観点からいくつかの制限があります。例えば,教職員の皆様が学生と連絡を取る場合など,主に学籍番号アドレスを利用することが想定される場面では下記の制限にご注意ください。
- 制限1: 学生は学籍番号アドレスを使って学外アドレス(*1)に送信することができません。
- 制限2: 学外アドレスから学籍番号アドレス宛に送信されたメールは受信拒否されます。
これらの制限の影響により,複数のアドレス宛に同時にメールを送信する際,送信先アドレス(Cc,Bccを含む)に学籍番号アドレスと学外アドレスが混在していると,DC メールサービスのアドレス(学籍番号アドレス,全学メールアドレス,サブID アドレス)にメールが届かないことがあります。
事例1. 教員が授業などで学生との連絡に電子メールを利用する場合
- 学生に連絡用アドレスを提示するときは,学内のアドレスを指定してください。学外のアドレスを指定すると,学生が学籍番号アドレスからメールを送信できません。
- 連絡用アドレスとして学外アドレスを指定する場合には,学生に対して上記の制限に関する注意喚起(DC メール上の学籍番号アドレスからは送信できない旨の注意喚起)をお願いします。
事例2. 学内アドレスから学外アドレスへ転送設定を行っている場合
例えば,研究室のアドレスで受け取ったメールをスマートフォンのアドレスや自宅のアドレスなどの学外アドレスに転送している場合が該当します。
- 学籍番号アドレスから発送されたメールを転送先のアドレスで受け取ることはできます。しかし,転送
先のアドレスから学籍番号アドレスへ返信することはできません(図1)。
- 学生への返信(学籍番号アドレスへの返信)には学内アドレスをご利用ください。

図1: 転送設定を行っている場合の注意
事例3. 複数のアドレスへ同報送信する場合
例えば,教員が学内の学生と学外の一般人向けにイベントの案内を同報送信するなどという場合が該当します。
- 送信先に学籍番号アドレスと学外アドレスが混在していると,DC メールのアドレス(学籍番号アドレス,全学メールアドレス,サブID アドレス)にメールが届かないことがあります(図2)
- 同報送信に際しては,学籍番号アドレスと学外アドレスが混在しないようにしてください。特に,学籍番号アドレスにメールを送信する際は,必ず学内アドレスから送信してください。

図2: 同報送信する場合の注意
4 おわりに
本稿では,2014 年10 月にサービスを開始した新しい学生用電子メールサービス「DC メール」の概要について紹介し,学籍番号アドレスを利用したメール送受信の際の注意について述べました。DC メールに関する詳細については,教育情報基盤センターのウェブサイト[1] あるいは「東北大学生のための教育系情報システムオンラインガイド[2]」を参照してください。
参考文献
[1]教育情報基盤センター,(http://www.cite.tohoku.ac.jp/index.html)
[2]東北大学生のための教育系情報システムオンラインガイド,(http://www.dc.tohoku.ac.jp/guide/Mail/index_dcmail.html)
(*1)学内アドレスとは,“tohoku.ac.jp” で終わるアドレスのことです(一部例外があります)。学外アドレスは,学内アドレスではないアドレスのことです。