TAINS の新しいメールサービスについて

情報部情報基盤課ネットワーク係 澤田勝己
情報部情報基盤課ネットワーク係  森倫子
サイバーサイエンスセンター 水木敬明

1 はじめに

 TAINS ニュースNo.36 の記事[1] 等によりStarTAINS におけるネットワークサービスの計画をお知らせしていますが,その一つであるTAINS の新しいメールサービス(以下「TAINS メール」と呼びます。)について,教職員の皆様へのサービス提供の準備が整いましたので,その内容をご紹介します。TAINS メールは,平成20 年度より制度化された全学的基盤経費の一部である全学的情報化推進経費を財源として,情報シナジー機構(サイバーサイエンスセンター,情報部情報基盤課)が整備及び運用を行う電子メールサービスです。
 以下本稿では,まず2 節においてTAINS メールの概要を述べます。次に3 節においてTAINS メールの利用開始のための申請手順を説明します。また,4 節において,従来よりサイバーサイエンスセンターが提供しているメールサービスmail.tains.tohoku.ac.jp 及びm.tains.tohoku.ac.jp の今後の予定についてお知らせします。

2 TAINS メールの概要

 TAINS メールは,統合電子認証システム[2, 3] と連携して,統合電子認証システムのアカウント(以下「東北大ID」と呼びます。)を持つ教職員がメールアドレスを取得し利用できる電子メールサービスです。以下の項目ごとに,TAINS メールのサービス概要について述べます。

2.1 利用資格

 有効な東北大ID を持っている教職員がTAINS メールの利用資格を有します(*1)

2.2 申請方法

 東北大ID とそのパスワードを使ってTAINS ウェブページからログインして申請します。申請の種類として,利用開始,メールパスワード変更,及び利用廃止の申請を行うことができます。利用開始の申請手順については3 節でより詳しく説明します。

2.3 メールアドレス

 「xxx[AT]m.tohoku.ac.jp」(xxx の部分は任意に指定可能(*2))のメールアドレスを取得できます。取得できるメールアドレスは1 人につき1 アドレスです。係や研究室としてのアドレスのような,複数人での共用はできません。

2.4 メールパスワード

 TAINS ウェブページからログインして利用開始の申請を行うときに,申請者がメールパスワードを設定します。メールクライアント(メーラー,メールソフトウェア)を利用してメールの送受信を行うときや,ウェブメールを利用するときに,このメールパスワードを使用します。

2.5 メールボックス

 メールボックスの容量は1 GB です。また,メールボックスの使用量がある一定の割合を超えるとメールで通知します。なお,利用廃止になるとメールボックスは削除されます。

2.6 ウェブメール

 ウェブメールの仕様・機能の一部を以下に示します。

2.7 セキュリティ対策

 以下のセキュリティ対策を行っています。

2.8 メールクライアントの設定

 メールクライアントの設定に必要な情報を表1,2 及び3 に示します。
2.8.1 ユーザ認証情報
 ユーザを認証するための情報には,表1 のとおり東北大ID とメールパスワードを使います。東北大ID のパスワードではないことに注意して下さい。

ID東北大ID
パスワードメールパスワード

表1: ユーザ認証情報

 メール受信(POP あるいはIMAP)のときのみならず,送信(SMTP) のときにもこのユーザ認証情報を使います。したがって,メールクライアントにおける送信のための設定では,送信認証(SMTP-AUTH) を有効にして下さい。
2.8.2 接続先メールサーバの情報
 接続先メールサーバの情報は,表2 のとおりです。

送信サーバ(SMTP)smtp.m.tohoku.ac.jp
受信サーバPOPpop.m.tohoku.ac.jp
IMAPimap.m.tohoku.ac.jp

表2: 接続先メールサーバの情報


2.8.3 ポート番号と暗号化
 メールの送受信のために必要な,メールサーバのポート番号と暗号化の情報は,表3 のとおりです。本サービスでは,POP3S (POP3 over SSL) とIMAPS (IMAP4 over SSL) のWell Known ポート,及びSMTPS (SMTP over SSL) によく利用される465/tcp ポートにおいてSSL の暗号化で通信を行います。平文通信でメールの送受信を行うことはできません。

 TCP ポート番号暗号化方式
送信(SMTP)465ありSSL
受信POP995ありSSL
IMAP993ありSSL

表3: ポート番号と暗号化


2.9 利用廃止

 利用廃止を申請するとメールボックスは削除されます。したがって,利用廃止の申請を行う場合,前もって必要なメールの受信を行なうようにお願いします。一定の期間,転送設定を行うこともできます。
 また,東北大ID が無効になると自動的に利用が廃止されますので,ご注意下さい。

3 利用開始の申請手順

 2.2 節で説明した申請のうち,ここでは利用開始の申請手順について図を用いて説明します。

1.ウェブブラウザで

https://www2.tains.tohoku.ac.jp/

にアクセスし,学内向けTAINS トップページを開きます。
    
2.学内向けTAINS トップページの左側にあるメニューの中から,「TAINS メール」という項目を探し,そこにある「サービス紹介」というリンクをクリックします(図1 の赤枠部分)(*3)



図1: 学内向けTAINS トップページのメニュー(一部)
    
3.TAINS メールの紹介ページが表示されますので,目次の「申請」をクリックして,「申請」の項に移動し,「利用申請」をクリックします(図2 の赤枠部分)。



図2: TAINS メールの紹介ページ
    
4.ログインフォームが表示されますので,東北大ID と東北大パスワードを入力し,[ログイン]ボタンをクリックします(図3 の赤枠部分)。



図3: 利用開始の申請のためのログイン画面
    
5.以後,画面の指示に従って利用開始の申請を行い,メールアドレスの取得とパスワードの設定を行って下さい。

6.取得したメールアドレスがシステムに反映されるには若干の時間がかかります。メールクライアントの設定や,ウェブメールへのログインは,1 分程度待ってから行って下さい。

4 mail.tains.tohoku.ac.jp 及びm.tains.tohoku.ac.jp の今後

 旧大型計算機センターや旧情報シナジーセンター時代に運用していた「mail.cc.tohoku.ac.jp」を起源として,サイバーサイエンスセンターが運用しているメールサービスがmail.tains.tohoku.ac.jp 及びm.tains.tohoku.ac.jp (以下「m/mail.tains」と言います。)です。m/mail.tains は,部局においてメールサーバを設置できない,あるいは,メールアドレスを取得できない構成員向けに提供しており,長年にわたってご利用頂いています。
 しかしながら,経年によるサーバの老朽化,スパム増大による高負荷等によって運用に支障をきたしています。また,運用にかかる費用等を総長裁量経費等の競争的資金やセンターの経費等から拠出してきているため,サービスの継続性が不透明です。そこで,今回のTAINS メールの運用開始を機に,いずれm/mail.tains のサービスを終了する予定です。
 サービスを終了した後も利用者が引き続きしばらくの期間は,同じm/mail.tains のメールアドレスを利用できるように,転送用のメールアドレス(*4)として存続させる計画です。具体的な時期は未定ですが,その都度お知らせしますので,ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

5 おわりに

 TAINS メールに関する詳細な情報は,学内向けTAINS ウェブページに掲載しています。以下のURL から「TAINS メール」の「サービス紹介」をクリックしてご覧下さい。

参考文献

[1]水木敬明, 曽根秀昭, “次世代TAINS の概要紹介,” TAINS ニュース, No.36, pp.5-13, 2008. (http://www.tains.tohoku.ac.jp/news/news-36/0513.html)
[2]木下哲男, 早川美徳, “全学的な統合認証システムの実現に向けて,” TAINS ニュース, No.36, pp.14–16, 2008. (http://www.tains.tohoku.ac.jp/news/news-36/1416.html)
[3]木下哲男, 伊藤清顕, 早川美徳, 寺澤篤史, “統合電子認証システムが始まりました,” TAINS ニュース,No.38, pp.3–4, 2010. (http://www.tains.tohoku.ac.jp/news/news-38/0304.html)

(*1)ただし,TA/RA 等は除きます。
(*2)先願主義です。
(*3)TAINS ウェブページのデザインやリンク名は変更になる場合があります。
(*4)転送先メールアドレスはTAINS メールのメールアドレス以外でも構いません。