インターネット活用事例

〜医学系研究科小児医学講座小児病態学分野〜

大学院医学系研究科小児医学講座小児病態学分野 根東義明
大学院医学系研究科小児医学講座小児病態学分野 飯沼一宇

はじめに

 すでに以前,小児病態学分野ではホームページを紹介する機会をいただき,その概要を当教室の鈴木保志朗がご説明させていただきましたが[1],その際に詳細を述べなかった教室内部のページについても,今回説明せよとのご要望をいただきました。

 そこで,今回は意を決し,当教室のホームページに埋め込まれたいろいろな裏技をご披露したいと考え,筆をとることにいたしました。「何だ,その程度?」と言われることを省みず,こんな機能が欲しかった,こんなことがしたかったという日常の業務に関連することを次々とつぎはぎしていった結果,今の部内ページが出来上がりましたので,本当は自慢できるものではありませんが,もし「なるほど真似してみよう」と読者のどなたかにでも思っていただくことがあれば,本稿の目的は達したものと考えます。

 しかし残念ながら,分野内のホームページには,一般公開の難しいコンテンツも多いことをおわび申し上げます。将来的には,公開されているコンテンツにも,さらに一層いろいろな工夫を凝らしていきたいと考えております。今回のご報告ではこうした舌足らずの部分をできる限り補うため,その分ふんだんに図を入れてご説明を図ってみました。

 では,さっそく,小児病態学分野情報システムへようこそ!


図 1: 小児病態学分野(旧小児科)ホームページ初期画面

1 ネットワークをとことん活用する

 小児病態学分野のネットワークは,医学部の中ではかなり古いほうで,まだ医学部でドメインネームが設置されていなかったころ,初めてMacでのプリンタ共有とファイル共有を目的として,TAINS88 に接続をさせていただいたところから始まります。このころは,医学部から運用センターに申請を出してTAINS88 を利用しなければならないなどという規定すら伝わらない中で,TCP/IPも利用せず,単に配線を利用させていただいて,TAINS88 の複合通信環境に乗じて,Appletalkのパケットを流しまくってしまったという申し訳ないような,でも懐かしいような思い出を持っております。TAINS88 のおかげで,小児病態学分野には,ネットワークの 黎明期 れいめいき がやってきたと言うのが実感です。当初,Localtalkケーブルのデイジー接続だけであった配線を,TCP/IP導入のため,CAT3ケーブルによる10Base-T配線に変え,さらに研究室奥の物置部屋をネットワーク集中配線およびサーバ室として,すべての研究室に向けてCAT5ケーブルを配線するところまでレベルアップを行った結果,現在の小児病態学教室では,接続されたすべてのコンピュータに100Mbpsの高速ネットワーク環境を提供できる基盤が整っています。現在は,プリンタ共有・ファイル共有のみならず,スキャナの共有も行っています。

 来年4月には,医学部および付属病院全体が,イントラネットとして再生しますが,その際には,独立のVLANを持ったプライベートネットワークとなる予定です。また,現在試験的に運用を行っているPPTPサーバを介して,学内外のプライベートネットワークによる有機的な情報交換を目指していきます。

 また,これらのネットワーク構築に合わせて,教室内のサーバも充実してきました。まず,ファイル共有に関しては,AppleShare,マイクロソフトネットワークが設置され,同じサーバの同じディレクトリをMacとWindowsの両方のコンピュータから接続利用できる環境が整っています。これらのシステムは,SUNmicrosystems社のUltrasparc 5にSolaris7日本語版を乗せたサーバとCompaqのPCによるWindows NT4 Serverが担当しています。前者は,メールサーバ・メーリングリストサーバ・ホームページサーバ(図1)・SQLデータベースサーバであり,同時にグループウェアサーバとしても活躍し,小児病態学分野ネットワークの中核となっています。

 このように,現在の小児病態学分野の電子ネットワークシステムは,当初のプリンタ共有のレベルを超えて,多機能ネットワークに 変貌 へんぼう しつつあります。

2 電子メールをとことん活用する

 小児病態学の本格的なネットワークの活用は,電子メールを利用することから始まりました。医学部にドメイン名が設置されるや否や,小児病態学分野専用のメールサーバをMacintosh Color Classicで立ち上げ,メーリングリストサーバも設置して,医局員全員に無理やりメールアドレスを配布して,これまた無理やり,医局メーリングリスト******@ped.med.tohoku.ac.jpなるものを設置したのもこのころです。当初は,もちろん何年も前の話ですので,同じ医局に居て,なぜメモでよいと思うのにメールが必要なのか,なぜわざわざ掲示のほかにメーリングリストに投稿するのかなど,質問が飛び交い,挙句の果ては無視と言う状況で,最良の反応が「趣味でやっているのでは?」と言う具合でした。

 しかし,現在では小児病態学分野にとって,電子メールによる情報交換は欠かせないものとなっています。その活用状況は,以下のように分類されます。

2.1 医局員の電子メールの活用

 小児病態学分野では,すべての構成員に専用サーバ上のメールアカウントを配布しています。これらのアカウントは,UNIXアカウントですが,セキュリティの確保のため,サーバ上のシェルの利用を禁止し,かわりに管理者によりメール転送の設定などを行っています。実際に,教室員の中で,他のメールアカウントを利用している場合には,そちらへのメール転送を行いながら,医局のアカウントでも直接メールが閲覧できる状況を整えています。

2.2 電子メールによる医局内の情報交換

 小児病態学分野では,メーリングリストを活用した情報交換が,活発に行われています。その概要は,以下の通りです。

2.2.1 医局内のメーリングリスト構築

 小児病態学分野には,いくつもの臨床および研究グループがあり,広範囲な小児医学・医療の各分野を広く網羅していますが,教室全体への連絡網としてのメーリングリストの設置に加えて,各グループにもメーリングリストを提供しています(図2)。また,教室全体のメーリングリストについては,そのログをホームページ化して教室の新着情報とする一方,過去の記事も全文検索できるようにシステムを整え,教室内のさまざまな行事などに際し,過去のやり方を確認したりするための強い見方として活用しています。


図 2:分野内メーリングリスト選択項目(複数選択可能となっている)

2.2.2 メーリングリスト登録管理システムの設置

 メーリングリストの管理は,一般的にサーバ管理者にとっては重荷です。特に,管理者自身が登録作業をすればもちろん大変ですし,電子メールコマンドによる参加者の自動登録システムを設置すれば,その使い方をめぐって利用者から質問攻めにあってしまいます。ましてや,複数のメーリングリストを立ち上げた日には,あふれんばかりの仕事が管理者の手元に残ります。そこで,小児病態学分野では,ホームページを利用して,各自がメーリングリスト利用者の登録と参加メーリングリストの選択をGUIで進められるようにプログラミングを行っています(図3)。このホームページシステムの裏には,登録情報をSQLサーバに入力するというデータベースシステムがあり,これらを多目的に利用することにより,教室員を含めて,学内外の関係者に至るまでの情報管理が可能となっています。学会地方会会員・同窓会会員などの情報管理も一元的に行える基盤がここに芽生えて来ています。


図 3: 分野内メンバー専用画面とメーリングリスト登録管理システム

2.3 電子メールを用いた全国小児科医の情報交換システムの構築

 小児病態学分野では,飯沼教授の下,教室員が全国の小児科医と情報交換を行うことを積極的に推進しています。その第一の表れが,日本小児科医電子メールカンファレンス(JPMLC)サーバの設置です。このシステムには,山梨県を除く全国45都道府県から,730名以上の小児科医が参加し,nationwideの小児医学・医療の情報交換を毎日行っています。O-157問題やワクチンによる脳炎問題などの際にも多くの情報交換が,このメーリングリストを通じて全国規模で行われました。

2.4 電子メールを介したファックス送信システム(図4)

 動いたりとまったりと,実は不評でもありますが。電子メールをファックスとして送信するための転送システムが設置されています。ホームページのフォーム画面より必要事項を入力すると,たとえば関連の病院などにファックスを出すときでも,特にファックス番号を探すことなく,スムーズにファックスが出せるというメリットを備えています。近い将来,さらにシステムを充実させることにより,より快適なファックス環境を教室員に提供できるようになるでしょう。


図 4: ホームページのフォームを利用したファックス送信システム

3 ホームページをとことん活用する

3.1 メーリングリスト最新情報閲覧システム(図5)

 メーリングリストによって,小児病態学の連絡事項の多くが情報提供されていますが,メールは受け取った後は,再活用が難しいという問題があります。そこで,MhonArcとNamazuという無料ソフトウェアを利用して,教室内連絡メーリングリストの記事が,自動的にホームページ化されて,教室員のページに掲載されています。掲載は即座に行われ,一日1回インデックスが作られて,全文検索が可能となっています。このシステムにより,たとえば「去年の忘年会の連絡は,いつどのように進めただろう」とか,「このカンファレンスはいつあっただろう」などの,日常のさまざまな行事の復習が可能となり,あるいはこれから予定されている行事についても,即座に再確認が出来ます。


図 5: メーリングリストログの閲覧と検索を行う画面

3.2 グループウェアによるスケジュール管理(図6)

 教室員にとって,悩みの種は出張や当直などの不定期の仕事です。どうしても忘れやすく,確認をおこたると,すっぽかしという最悪の事態に陥ります。こうしたことを少しでも防げるように,まただれがいつどこで勤務しているのかが一目でわかるように,ホームページにサイボウズという名のスケジュール管理ソフトウェアが稼動しています。ここには,教室の秘書さんの協力により,あらかじめ決められたスケジュールが入力されるため,たとえ予定を確認せずに教室を離れたときでも,ホームページを通じて,自分の臨時業務の予定が確認できるという強みがあります。


図 6: 分野内のスケジュール管理ソフトCybozu3の画面例

3.3 ウェブメール(図7)

 自分のコンピュータをもてない環境は,大学内にはたくさんあります。たとえば,外来や病棟では,診療支援システムのコンピュータはありますが,自分のメールを受信する設定は出来ません。こうしたときに,直接ホームページを介して教室のメールを送受信できるウェブメールは大変好評です。学外からのアクセス時にも,SSLを介して,パスワードを暗号化してメールを閲覧することも可能なので,インターネットカフェなどからでも自分のメールを読み書きすることが出来,出張などで便利です。もちろん,外来・病棟で頻用されていることは言うまでもありません。


図 7: 無料Webメールソフトの日本語化による分野専用メールシステム画面

3.4 医局内規の閲覧

 ホームページが最も得意とするところは,やはり約束事などをだれでも見れるように掲示する能力でしょう。小さな変更に際しても,一部を書き換えて変更日を書き添えておくだけで,内規として広く活用することが出来ます。小児病態学分野では,日当直の約束や(図8),プリンターの使い方など,多くのマニュアル事項がホームページとして掲載されています。


図 8: 分野内業務の解説をおこなう実務画面例(当直心得)

3.5 カンファレンス資料の閲覧(図9)

 カンファレンスの資料は,やはりその場で捨てられてしまうことも多く,後からどうだっただろうと思い返すことも多いものです。こういった資料をpdfファイルにして,いつでも閲覧可能にしておくことは,役に立つ面が多いと考えられます。小児病態学分野では,カンファレンスの過去の資料を,大幅な制限はあるものの,教室内では各自のコンピュータから閲覧できる環境を整えています。


図 9: カンファレンス資料閲覧のためのホームページ

3.6 便利リンクの設置

 学会出張や論文検索,各種辞書など,日常必要となる調べものは,比較的教室員の間で共通しています。こうしたコンテンツを掲載する代表的なページを,入れすぎることなく,わかりやすくリンクするように心がけています。

3.7 学生評価記入データベース

 学生実習の評価は往々にして忘れがちで,後になってからあれはだれだっただろうなどと困りやすいものです。そこで,評価を入力する担当教官が出来る限り進めやすいインターフェイスを準備しています(図10)。同じインターフェイスは,教授からも学生の評価一覧として閲覧でき,再試験での学生の再評価の際の重要な資料となっています。


図 10: 学生実習評価などを行う報告画面

3.8 学生用臨床実習情報ページ(図11)

 学生の臨床実習では,とくに必要最低の情報を忘れることなく学生に伝えることが,まず真っ先に重要となります。こうした資料は,小児病態学分野では,医学部内にアクセスを制限してホームページで提供されています。学生は,あらかじめこうしたページを読んで,小児科実習の心構えを身につけてくることも可能であり,より確実な実習の体制の支えのひとつとなっています。


図 11: 学生便覧を掲載したホームページ

3.9 メーリングリスト登録管理システム

 メーリングリストの項で説明しましたが,各教室員が自分自身で登録するメーリングリストを管理する体制が,ホームページを通じて提供されています。このことにより,管理者がてんてこ舞いとなって何もかにもお手伝いするのではなく,教室員自身が自分で情報システムへの参加の対応を自己責任で行うという形が作り上げられています。メールアドレスの設定は管理者が行いますが,それ以降の情報システムへの参加は,すべて本人が出来るというシステムを目指しています。

3.10 リアルサーバによるVODへの取り組み

 現在,小児病態学分野のUNIXサーバには,RealServerと呼ばれるインターネットビデオサーバがインストールされており,実際に試験的にビデオ送信を行っています。この機能は,近い将来,教室の戸締りや各種の機器の利用方法などの紹介に活用していけるものと期待しています。

4 データベースをとことん活用する

 小児病態学分野では,データベースをサーバで扱う環境を整えています。もちろん,簡単なデータベースはFileMakerProの力を借りていますが,電子メールとのリンクなど,複雑な機能を必要とするシステムは,原則としてPostgreSQLにPerlインターフェイスを搭載し,ウェブサーバを経由して管理し,必要なときにメールで担当者に連絡するという形態をとっています。このことにより,よりフレキシブルで確実性の高い安全な情報管理が可能になります。今後も,さらにPostgreSQLの活用を進めていく予定です。

5 セキュリティ

 以前,小児病態学分野には,セキュリティの甘いLinuxサーバ(Kernel 2.02)が設置されていましたが,Ultrasparc5の導入と前後して,すべてのUNIXサーバをSolaris7日本語版に移行し,最新patchをあてることにより,出来る限りのセキュリティを図っています。また,来年4月のイントラネット化では,ファイアウォール下のDMZ(非武装ゾーン)にすべての外部向けサーバを移行して,ネットワークの安全性を確保していく予定です。

 また,ホームページに関しては,SSL(OpenSSLを利用)を導入し,学外からのネットワークアクセスに対してもデータの安全性を図っています。この他,PPTPサーバにより,学外からのアクセスに際しての暗号化通信を試験的に実施中で,近い将来,VPNを利用した関係者専用の学内外広域ネットワークシステムを構築したいと考えています。

6 無料ソフトと有料ソフト

 本格的なシステム導入には,どうしてもソフトウェアの充実が 必須 ひっす ですが,小児病態学分野では,出来る限りお金を使わないシステム構築を目指しています。このため,フリーウェアの活用は欠かすことの出来ない重要事項です。これまで,サーバに導入された有料ソフトウェアは,実際にはサイボウズ社のサイボウズ3のスケジュール管理ソフトのみで,その他のソフトウェアは出来る限り無料版を利用しています。残念ながら,こうしたことは主にUNIXサーバでのみ可能なため,Windows NTサーバなどでは,サーバの基本ソフト以上のソフトを出来る限り利用しないで済むように心がけています。

 具体的に無料版を挙げてみると,UNIXサーバには,WWWサーバのApache,WWWサーバ管理はFrontpage extension,メールサーバのSendmailとqpopper,暗号化はOpenSSL,データベースはPostgreSQL,インターフェイス言語は主にPerl,メーリングリストはfml,検索エンジンはnamazu,メールログのホームページ化はMhonArc,コンパイラはgcc,マイクロソフトネットワークはSamba,AppletalkはUAR,ウェブメールはAtDotの自前の日本語化といった具合です。

 このように,節約型のシステム構築を進めていますが,やはり近い将来,こうしたすべての機能を統合したシステムが,廉価版として商用ベースで提供され,簡単にネットワークシステムが構築できる日がくることを願ってやみません。

7 日本小児科医電子メールカンファレンスの主催(図12)

 日本小児科医電子メールカンファレンス(JPMLC)は,東北大学小児病態学分野が全国の小児科医に誇れる全国的な電子メールカンファレンスシステムです。当初は教室員25名で始まった形のない全国リストですが,あっと思う間に,700名をはるかに上回る大規模な電子メール情報交換システムに成長しました。この間,メーリングリストサーバは,述べ100万通以上のメールを配信し,いくつもの重要な緊急情報も会員に提供してきました。

 また,ここで培われたさまざまなメール活用のためのデータベースやそのインターフェイスは,そのまま小児病態学分野のホームページシステムとして反映され,教室の情報化に貢献しています。

 すでに,全国の主要大学小児科の半数以上から参加者を迎え,山梨県を除くすべての県に会員を有する貴重な全国小児科医の情報交換システムとなっています。


図 12: 全国小児科医のメーリングリスト専用ホームページ

8 日本小児科学会第104回学術集会に向けて

 2001年は,小児病態学分野にとっては,大変重要な年に当たります。小児病態学分野では,2001年5月18日から20日の3日間にわたり,仙台国際センター・宮城県スポーツセンターにおいて,21世紀最初の日本小児科学会を教授が主催することになりました。小児病態学分野では,この小児科医の重要な学会において,会員の情報交換の効率を高め,よりよい学会運営を目指して,専用のホームページサーバを運用しています(図13)。このサーバは,同時に学会運営のためのスタッフのホームページや関係者のメーリングリストなどのサーバとしても大活躍の状況です。小児病態学分野で蓄積されたノウハウは,再来年の名古屋の小児科学会学術集会にも引き継がれていくことと思います。


図 13: 第104回日本小児科学会(平成13年5月)専用ホームページ

9 将来への展望

 おそらく,医学部の一講座が,どうしてこんなにネットワークに凝るのだろうかと不思議がられるのかもしれません。が,実は小児病態学分野の臨床・研究・教育・事務に至るまで,すべての業務をよくよく見つめてみると,コンピュータを介したネットワークシステムから得られるものは非常に大きいという事実に気付きます。

 たとえば,小児病態学分野が全国の小児科に誇り,またその知名度を大きく広げた「日本小児科医電子メールカンファレンス(JPMLC)」は,設置当初,なんの変哲もないただのお遊びメーリングリストのようでしたが,その中で進められた議論からは,Evidence-based Medicineの重要性や,施設間情報交換の重要性,さらには高速情報交換システムのもつ社会的貢献度など,これまでの小児科医の常識からは思いつくことも出来なかった小児医学・医療の可能性を指し示してきています。また,教室内の情報の効率化は,単にメモ代わりにとどまらず,これまでは考えられなかった情報の徹底という意味での貢献をしています。また,ホームページを介して得られるインターネットからの医学情報は,研究にとっても臨床にとっても欠かすことの出来ないものといって過言ではありません。

 このように,情報システムがこの間小児病態学分野に与えたインパクトの大きさを考えるとき,医療情報学が医療情報学分野だけのものではなく,小児科という臨床分野においてきちんとした位置付けがなされてこそ,小児医学の発展に基盤が形作られていくと考えています。小児医学の医療情報は,小児医学の専門家が考えるべきものであり,小児医学の専門家が育てるべきものであることを実感しながら,今後さらに東北大学小児病態学分野が,よりいっそうのリーダーシップを全国に向かって発揮していけることを願ってやみません。

参考文献

[1] 鈴木保志朗,学内WWWあんなページこんなページ 第8回: 東北大学医学部小児科ホームページ,SuperTAINS ニュース 19号,1999,
http://www.tains.tohoku.ac.jp/news/st-news-19/1416.html


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